亡くなった父が、大手の保険会社以外にネット保険でも生命保険を残してくれていたはずなんだけど、手がかりがなくて。何とか見つける方法はないのでしょうか。
手がかりがない場合にも有効な手段があります。
この記事では、生命保険協会の「生命保険契約照会制度」を利用して故人の生命保険を見つける方法をご紹介します。
ネット保険とは
ネット保険とは、保険の申込手続きがインターネット上で完結できる保険のことです。
保険会社の人件費や店舗費などの削減のおかげで保険料が割安であることが魅力で、契約数を伸ばしています。対面での相談に時間が取れない人でも、ネット上でいつでもじっくりと保険商品が選べることもメリットです。
ネット保険を見つける方法
遺品から探す
リアルな保険会社でも同じですが、故人の部屋の引出しなどから保険証券や契約内容の確認書類を探しましょう。ただしネット保険会社の中には保険証券を発行しないケースもあります。
次に銀行の預金通帳の入出金明細やクレジットカードの利用明細から、保険会社への支払いがないかを探しましょう。
PC、スマホから探す
故人が使用していたPCやスマホのパスワードが分かる場合にのみ有効です。
PCを開くことができるならEdgeやSafariなどのブラウザのブックマーク(お気に入り)から、保険会社のログインページなどがないかを探します。
スマホを開くことができるなら、導入済みのアプリから見つけることができるかもしれません。なお、ネット保険の中にはアプリを提供せず、ブラウザでの利用を基本としている場合もあります。
生命保険契約照会制度を利用する
ここまでの調査でどうしても分からない場合には、照会制度を利用して一括で調査する方法を検討しましょう。
生命保険契約照会制度とは
生命保険の契約有無は、一般社団法人「生命保険協会」に照会することができます。「生命保険契約照会制度」は2021年7月から始まった仕組みで、国内の生命保険提供会社41社 (2024年4月1日現在) の契約有無を一括して調査してくれるものです。
照会手続について
死亡に起因した照会の場合、故人が被保険者または契約者となっている生命保険契約が調査対象となります。申請のポイントは以下の通りです。
- 照会申請者 … 故人 (契約照会対象者) の法定相続人、またはその法定代理人。また、法定相続人からの任意代理人への委任も可能。
- 請求方法(書面による申込) … 初めにWebサイトから必要事項を入力し、申請書類、利用の手引き等を送付してもらいます。その後、申請書類と必要書類を郵送します。
- 請求方法(WEBによる申込) … 初めに契約照会システムへのユーザ登録を行い、オンライン上で申請書類を作成し、さらに必要書類を写真撮影またはスキャンのうえ登録します。
- 必要書類 … 申請者の「本人確認書類」、故人との関係が分かる「戸籍謄本」等、故人が亡くなっている事実が分かる「死亡診断書」等が必要。
- 手数料 … 3,000円 (クレジットカードまたはコンビニ払い)。
ネット保険の保険金請求
故人が死亡保険に加入していた場合は保険金の請求をすることになりますが、まずは保険会社の電話窓口に相談してください。
必要書類としては、死亡の確認のための死亡診断書や、受取人の本人確認のための戸籍謄本など、詳しくは保険会社のサイトや電話で確認してください。
代表的なネット保険
参考までに、生命保険を取り扱っている主なネット保険会社を一覧化しておきます。スマホの画面キャプチャを参考までにお見せしますが、アプリが提供されていない会社の場合は、ログインページへのショートカットで代用しました。
まとめ
故人が契約していた生命保険を見つけるには、まずは実際の遺品の中から保険証券を探すこと、次にPCやスマホから利用の痕跡を見つけることになります。そして、有効な手段として「生命保険協会」への照会が可能だということを知っておきましょう。